女性の美人の条件について
それぞれの時代の美人
日本において美人の条件というものは、それぞれの時代によって異なります。それは当時の文化や流行などが影響していると考えられます。
美人というのは男性の心を掴むパワーを持っていますので、恋愛経験が豊富な人が多いと言われていますが、中には美人過ぎて男性に敬遠されて恋愛をしたことがないという人もいるそうです。
いずれにしても美人は男性の恋心を悩ませる存在です。これはいつの時代も変わりません。
百人一首には平安時代の歌人の和歌が集められていますが、男性が好きな女性を思う気持ちを表した恋愛の歌も多いのです。
それでは昔の日本では、どのような女性が美人と判断されていたのでしょう?
様々な文献や遺跡などから判断すると飛鳥時代頃から基準ができたと考えられています。
藤原京(694~710年)の時代に築造された高松塚古墳の壁画から判断すると、飛鳥時代は、ふっくらとして、切れ長の目の女性がモテていたと推測されます。切れ長の目とは、目尻が細長く切れ込んだ歌舞伎役者のメイクのような目を指します。
そして奈良時代になると豊満な感じで顎がぽっちゃりしていて、眉毛が太くて、口が小さい女性が美人の条件だったようです。当時は元正天皇(げんしょうてんのう)がその典型でした。
平安時代は、下のほうが膨らんだ「下膨れ」のような輪郭の顔で、目が細く、小さく尖った鼻の女性が人気がありました。和泉式部や小野小町などが有名です。
江戸時代になると、一重の切れ長の目、小さな口、筋の通った高い鼻、肌が白くて面長の女性がモテたようです。当時の浮世絵などには、そのような女性がたくさん描かれています。
しかし、江戸時代は250年続きましたので、美人についての認識が初期から末期にかけてどんどん変化しました。わずか数十年の間に全く違った雰囲気の女性が美人と言われるようになることもありました。
江戸庶民の文化や流行などが即座に反映されていたのかもしれません。
このように女性の美人の条件は時代によって変化していました。
現代はどうでしょう?
それでは、現代ではどのような女性が美人と言われているでしょう?
まず、美人顔の条件としては「顔の輪郭が卵型」「目がパッチリしている」「鼻は小さくて筋がきっちり通っている」「口がちょうど良い大きさ」「歯並びがきれい」「肌がツルツル」などが挙げられます。
そして最も肝心なことは顔のパーツのバランスが良い事です。
黄金比率と呼ばれているものがあり、「毛髪の生え際から眉毛の上までの長さ」「眉毛の上から鼻の下までの長さ」「鼻の下から顎の先までの長さ」の3つの長さの比率が同じであれば美人に見えるそうです。
また、これらに加えてスタイルやプロポーションが良い人も美人の条件として挙げられます。
昔から8頭身は美人と言われていますが、最近は9頭身の女性も登場しています。日本人の平均が6~7頭身ですので、これらの女性はとてもカッコ良く見えるのです。
しかし、一般的に美人と言われている女性であっても、すべての男性が美人を好きになるわけではありません。
つまり、どんなに美人であっても、すべての人にモテる女性は存在しないということです。
男性は人それぞれ好みが異なりますし、外見にこだわりを持っていない人もたくさんいます。
そのため美人だからと言って素敵な男性と恋愛ができるとは限りませんし、たとえ美人でなくてもカッコいい男性と結婚することができるのです。